おばあちゃんの知恵袋が学べるケアハウス

介護業界で働くというと、多くの人は「大変」「きつい」と想像するだろう。もちろん、実際に働いている人からそういった声が多いのは事実ではあるが、「楽しい」「おもしろい」という声もあるのだ。
例えば、比較的費用負担が軽くて済むケアハウスは、生活サポートを受けながら、個室で身の回りのことは自分でやるというスタイルから、1人暮らしの高齢者に人気が高まっている。一般型のケアハウスであれば、基本的に介護が必要な人は入居ができないため、料理や洗濯などは自分ですることになる。
ケアハウスでサポートにあたる人の年齢層はさまざまだが、自炊をしている高齢者と会話をしているうちに、あっと驚く知恵を教えてもらうことも少なくない。おばあちゃんの知恵袋とはこのことだろう。
生活が豊かになって、いろいろな家電製品やアイテムが増えているが、1人で生活をする高齢者にとってそういった便利アイテムは、たいして必要がないことも多い。昔はそんなものはなかったと思えば、生活するのには困らないのだ。
また、実際に家族を介護した経験からケアハウスの職に就く人も多いが、身内の介護と他人の介護では、精神的な余裕が全く違うという声もよく聞く。排せつの失敗や食べこぼしなども、家族を介護しているときは怒りがこみ上げてくることも多いが、他人だとやさしく接することができるという場合も多いようだ。他人と一緒に、つかず離れずの関係で暮らしている感覚のケアハウスは、毎日の生活でちょっとした楽しさを見つけることも可能なのだ。